あたしならこうする

場所貸しではなく、家主が管理している自動販売機。
監視カメラも無い。人通り多い場所。
目をつけた家のポストで家族構成を把握。
平日昼間と休日の家人の出入りを監視する。
家人が出掛けた『この日!』、他の客がお札を使ったかを確認し、
近くの公衆電話から電話をかける。
もちろん留守である。
着信が残った残らないはどちらでもよい。
かけた事が大事なのだ。
万が一、誰かが出たら次の機会まで間をあける。
その日の夜、家人が帰ってきたあと、
あまり遅すぎない時間、だいたい9時〜10時くらいがいいだろう、
電話をかける。
『あの、今日の昼間、お宅の自動販売機に千円入れたんですが、
商品が出てこなかったんです。近くにいるんで、伺ってもいいですか?』
一応は対応してくれる。
ここで大事なのは相手への印象だ。
平日ならスーツ、いかにも仕事帰り風に。
休日なら清潔感のある服装で。信頼が成功を生む。
いよいよ直接対決。
実際に電話をかけた事の自信を全面に出し、やりとりを交わす。
相手側に証拠がない限り、強気なことを言ってきてもひるまない。
まんまと千円をいだくことが出来ても焦らずに帰る、
最後まで毅然としているのだ。
まったく割に合わないこづかい稼ぎ。
自動販売機おいていると、たまには こんなことがあります。