ただただ無為に

休日の前日は、
それはそれはようやく仕事が終わったという安堵と、
目覚ましをかけずに眠れる楽しみがある。
だが、休日に予定があるわけはなく、
少しゆっくり起きてからはただぼーっと過ごしている。


快活に日々を過ごしている時は、
何も予定が無い休日が暇で閑で、
一日ぼーっと過ごしてしまった時はもったいない思いと、
罪悪感でガッカリしていた。


今は、無為に過ごす日々に慣れ2年ほど経つ。
一日家から出ず、だらしない食事をし、
着替えもせず、片付けも掃除もしない。
汚れていく部屋と自分に慣れていく。
めんどくさい、が口癖に。
人に優しくできない。
記憶力が悪くなっていく。
それでも腹だけは減りスーパーにだけ出かけていくが、レジで
「ポイントカードはございますか?」と聞かれ、
「はい」と声を発したのがその日最初で最後、という休日。
この生活がいつまで続くのだろう。
いつになったら自分に力を入れられるようになるのか…

空に星が綺麗

helvetica182013-05-04

ホームで口笛が響き渡っていた。
凡人の口笛ではない。
のびやかで、音にブレが無く、音量もある。

誰が吹いてるのか見回してもわからない。
しかし確かに生口笛だ。
ホームに電車が入ってくるアナウンスが流れた。
その中で、一層強く口笛が響き渡る。

すると、柱に寄り掛かる中年のおやじさんの方から聞こえていることがわかった。
しかし、確証が持てない。
なぜなら、おっさんマスクしてるからだ!
だが、マスクが息でパカパカしてる!
なのに、俺じゃないぜって感じで吹き続けている!

仕事帰りにこういう出来事に出会うと、少し気持ちが軽くなる。


音楽の中に入ってしまいたいです。



最近観た映画
『弾丸を噛め』リチャード・ブルックス監督
『スティング』ジョージ・ロイ・ヒル監督
イヴの総てジョセフ・L・マンキーウィッツ監督

観直した映画
E.T.スティーヴン・スピルバーグ監督
ベン・ハーウィリアム・ワイラー監督


行ったライブ
・北山 修 at 渋谷公会堂
キリンジ at NHKホール
Wilco at 渋谷AX

ゆっくりしていかれ〜

母の生まれ故郷である富山におじいちゃんおばあちゃんがおり、
富山に家族で行くことが我が家の旅行だった。
列車の旅は、今は4時間程だが当時は6時間かかった。
大人にとって、ましてや子供にとってもそれはそれは長い旅で、
ようやく富山駅ホームに着いた時のアナウンス、
『とやま〜とやま〜』(独特のイントネーション)
を聞くと
『やっと着いたぞー』と嬉しかったものだ。
富山駅からタクシーに乗っておじいちゃんおばあちゃんの家を目指す。
40分くらい乗る。
目印の火力発電所の煙突が見えてくると、興奮のピークだ。
「そこに、おじいちゃんおばあちゃんがいる!」


祖父母の家での過ごし方は、
町から離れているため、まわりに何もなく、
誰もいない公園を巡ったり、空き地でなぜか穴を深く深く掘ってみたり、
渡し船の船着き場まで行ってみたり、テトラポットしかない海を見に行ったり・・・
こどもにとったら少し退屈。
でも、母にとっては両親と過ごせる貴重な時間だったのだと、
今更ながら気付き、反省する。


帰るときはタクシーを呼んで、後ろの窓ガラス越しに、
いつまでも手をふる祖父母の姿を見ていた。
この時がいつもいつも一番苦しかった。
その後の祖父母達の気持ちを想像するとだ。
一気に騒がしくなった数日間。
タクシーが見えなくなり、ふっていた手を下ろし、家に入る。
再び二人だけの生活である。



母は『上手じゃないのよ』と言いながらも、
エプロンやズボンなどよく縫っていた。
裁縫道具の中に手縫い用の木綿糸があり、
自分はこの直径5センチ程の糸を見るのが大好きで、
果てしなく長いこの糸ならば、
富山行きの列車のドアに挟んで走らせ、
おじいちゃんおばあちゃんのいる富山までつながるのではないかと考えていた。
到底届かないなどとは全く考えず、途中で切れはしないかということばかり心配していた。
来年には新幹線が開通し、富山まで2時間になるという。
おじいちゃんおばあちゃん、近くなりますよ。

今は夢の中だけ

父の事が本になる。
というとかなり大袈裟で、
父の事がすこーし本に書いてある。
といえば本当のことだ。


父の古い友人で、ある出版社の社長が、
月報に載せている編集後記をまとめた本を出した。
本の内容は出版業界の話が主だが、
父のことを「親友の死」という題で書いている。


父は亡くなる2ヶ月ほど前にその友人を家に呼び、
昔話とこれから頼みたい事などを話していた。
その日からの様子と、父が自分の人生を振り返って話したことが端的に書かれていた。


私たち家族にはそんな話はしたことがないが、
なんとなく子として感じていた父の思いは、その通りであった。
今でも昨日のことのようにあの時のことを感じる。
時間では解決しない。


その社長は
「お前さんのお父さんは、お前さんにはまだ自分が必要だってこと、わかってるぞ」
と私に言った。
そうですよ、必要なのですよ。
こんな浅はかな未熟者には、人格者の生き字引が必要なのですよ。




最近観た映画
雨に唄えばジーン・ケリー/スタンリー・ドーネン監督
『チャイナタウン』ロマン・ポランスキー監督
おとなのけんかロマン・ポランスキー監督
グッドモーニング・ベトナム』バリー・レヴィンソン監督
『君に読む物語』ニック・カサヴェテス監督
市民ケーンオーソン・ウェルズ監督
アラバマ物語』ロバート・マリガン監督
死刑台のエレベータールイ・マル監督
アパートの鍵貸しますビリー・ワイルダー監督
サブウェイ・パニック』(1974年版)ジョセフ・サージェント監督
喝采ジョージ・シートン監督
『ウォーリー』アンドリュー・スタントン監督
『家族』山田洋次監督
高慢と偏見BBCテレビドラマ(1995年)
レザボア・ドッグスクエンティン・タランティーノ監督
英国王のスピーチトム・フーパー監督
東京ゴッドファーザーズ今敏監督


観直した映画
アンタッチャブルブライアン・デ・パルマ監督
『隠し剣鬼の爪』山田洋次監督


行ったライブ
『Another White Christmas with NICOLE HENRY』in コットンクラブ


BGM
「Yours Truly, 2095」:Electric Light Orchestra
「姫君Shake」:レキシ

つくづく自分の間の悪さを思い知る。
「歩かないからか歩き方を忘れる。」と言われ落ち込み、
いざ歩き出すとつまずく。
「そんなことはよくある事だよ」
と言われるが、99%この繰り返しだったら、
「ほんのちょっとの楽しみに期待した自分が悪かったのだ」
と思わない方が不自然だ。
少なくとも、私はこの出来事の連続でここまできた。
だから期待しなくなっている。
自分から動く事も嫌になる。
約束も人も信じる度に破談になる。
でも1%があるから、また信じる。
しかし、この繰り返しをしていて気付くことがある。
嬉しいとか楽しいとか、どうやらその感じ方が薄くなっているようなのだ。
その代わり、悲しいとか寂しいという感情の方が何倍も強く襲ってくる。
そりゃぁ、自棄にもなりますよ。



最近観た映画
ドクトル・ジバゴ』デビッド・リーン監督
『セントエルモスファイヤー』ジョエル・シュマッカー監督
『セントオブウーマン/夢の香り』マーティン・ブレスト監督
フルメタルジャケットスタンリー・キューブリック監督
十二人の怒れる男シドニー・ルメット監督
桐島、部活やめるってよ』吉田大八監督
『汚れなき悪戯』ヴァイダ・ラースロー監督
ウォッチメンザック・スナイダー監督
カジュアリティーズブライアン・デ・パルマ監督
男はつらいよ 寅次郎真実一路』監督 山田洋次,脚本 山田洋次朝間義隆


頭ん中BGM
「ヤツらは町へ」「アリバイ」Thin Lizzy

いつまでも青二才

あるところに週末通っている。
その途中、建設中の家があった。
間口は二軒ほどだが奥行きがあり、
3階立ての、全体的にシルバーの配色がなされた家。
特に気にもとめていなかったのだが、
ここのところ家の前を通る度、変化があった。


ある日は、主と施行主。
ある日は、主と娘。
ある日は、主とガス工事者。
ある日は、主一家と、その親夫婦。

二世帯住宅になるようだ。
みなで完成した新しい我が家を見上げ、感嘆の声をあげている。


そして、本日は引越だったようで、
家の前に大きなトラックがつけ、窓から搬入する家具をクレーンで吊ったり、
引越荷物を次々と運び入れていた。
ついに新しい家での生活が始まる。
親も主も娘も、さぞ楽しみだっただろうな〜


自分もこんな将来を夢見ていたが叶わず仕舞い。
家族みんなで一つの家に住むという当たり前のことが、
そのときはどんなにいいことなのか気付かない、
若さ故という有難い慰めにも解を置きたくない、
それも若さ故か・・・



最近観た映画
わんわん物語ウォルト・ディズニー制作
『女の歴史』成瀬巳喜男監督
『Before Sunrise』リチャード・リンクレイター監督
『Before Sunset』リチャード・リンクレイター監督
スパイダーマン』1〜3作 サム・ライミ監督
グラン・トリノクリント・イーストウッド監督
それでもボクはやってない周防正行監督
『重力ピエロ』森淳一監督


最近観直した映画
『ひき逃げ』成瀬巳喜男監督
男はつらいよ 寅次郎相合い傘』監督 山田洋次,脚本 山田洋次朝間義隆
男はつらいよ 寅次郎夕焼け小焼け』監督 山田洋次,脚本 山田洋次朝間義隆
男はつらいよ 寅次郎恋歌』監督 山田洋次,脚本 山田洋次朝間義隆


BGM
ジルデコ2:JiLL-Decoy association

ほんの独り言

最近テレビを見ていて不愉快になることが度々ある。
内容がつまらないなどではない。
「けしからん!」と思うことが、
堂々と公共の電波にのっていることに心底がっかりする。


箸やえんぴつの持ち方が間違っている。
和服を左前で着ている。
左手で敬礼をする。
うるさいだけの下町流行り。


自分のことは棚に上げながらも、
正しく持つ、
本や道具を跨がない、
『マジ』を使わない、
年齢の単位を「コ」にしない、
品良く食べる、
言葉を何でも略さない、
を自分は心がけている。


あ、永六だけは許してちょうだい。



最近観た映画
『アーティスト』ミシェル・アザナビシウス監督
『ホテルルワンダ』テリー・ジョージ監督


最近行ったライブ
smile to smile vol.2 @代官山LOOP
special guest:chihiRo (JiLL-Decoy association)